27 June, 2014

[IVA] Chapter 2, Section 4, Exercise 1, 7, 13

Exercise 1. $I \subset k[x_1, \cdots, x_n]$ がイデアルであり、$f \in \sum_{\alpha} c_{\alpha} x^{\alpha}$ に対して $\forall \alpha, \; x^{\alpha} \in I$ である。このとき $I$ が単項式イデアルであることを示せ。

$$A = \cup_{f \in I} \cup_{f=\sum_{\alpha}c_{\alpha}x^{\alpha}} \alpha$$

という集合をとる。
すると任意の $I$ の元 $f$ に対して、$f = \sum_{\alpha}c_{\alpha}x^{\alpha}$ と有限和で表す事が出来るがこの各$\alpha$ は$A$ の元であり、各$c_{\alpha}$ は$k[x_1, \cdots, x_n]$ の元であるから、$h_\alpha = c_\alpha$ ととれば任意の$I$の要素$f$ は$f = \sum_{\alpha \in A} h_\alpha x^\alpha$ と有限和で書ける。よって$I=\langle x^\alpha \; : \; \alpha \in A \rangle$ という単項式イデアルである。


Exercise 7.

$n$ についての数学的帰納法を用いる。

$n=1$ のとき、$A \subset \mathbb{Z}_{\geq 0}$ だが、$\geq$ の性質より $A$ には最小限 $\beta$ があり、$\forall \alpha \in A, \; \exists \gamma \in  \mathbb{Z}, \; \alpha = \beta + \gamma$ となるから $\alpha(1) = \beta$ とすればよい。

$n=k$ までなりたつとして$n=k+1$ とする。
記法の都合上、$\mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0}$  から、$\mathbb{Z}^k_{\geq 0}$, $\mathbb{Z}_{\geq 0}$ への射影 $\pi_1$, $\pi_2$ と、逆方向の埋め込み写像 $\iota_1$, $\iota_2$ を下記の様に定める。

$$\pi_1 \; : \; \mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0} \ni (\alpha_1, \cdots, \alpha_k, \alpha_{k+1}) \mapsto
 (\alpha_1, \cdots, \alpha_k) \in \mathbb{Z}^k_{\geq 0}$$
$$\pi_2 \; : \; \mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0} \ni (\alpha_1, \cdots, \alpha_k, \alpha_{k+1}) \mapsto  \alpha_{k+1} \in \mathbb{Z}_{\geq 0}$$
$$\iota_1 \; : \; \mathbb{Z}^k_{\geq 0} \ni (\alpha_1, \cdots, \alpha_k) \mapsto
 (\alpha_1, \cdots, \alpha_k, 0) \in \mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0}$$
$$\iota_2 \; : \; \mathbb{Z}_{\geq 0} \ni \alpha_{k+1} \mapsto
 (0, \cdots, 0, \alpha_{k+1}) \in \mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0}$$

$\mathbb{Z}^k_{\geq 0}$, $\mathbb{Z}_{\geq 0}$ における単項式順序は $\iota_1$, $\iota_2$ と$\mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0}$における$\geq$ を用いて定める。

$\pi_1(A) \subset \mathbb{Z}^k_{\geq 0}$ を考えると、帰納法の仮定より有限個の$\alpha(1), \cdots, \alpha(s) \in \mathbb{Z}^k_{\geq 0}$が存在して、
$$\forall \alpha \in A, \; 1 \leq \exists i \leq s, \; \gamma \in  \mathbb{Z}^k_{\geq 0}, \; \alpha = \alpha(i) + \gamma$$

各 $\alpha(1), \cdots, \alpha(s)$ に対して $\pi_2(\iota_1(\alpha(i)) \cap A)$ という集合を考えると、それぞれに最小限 $\beta(i) \in  \mathbb{Z}_{\geq 0}$ が存在する。添字を付け替えて $\beta(1) \leq \cdots \leq \beta(s)$ となるように並べ替えて良い。

ここで、任意の $\alpha \in A$ s.t. $\alpha_{k+1} \geq \beta(s)$ について、$\exists j, \; \pi_1(\alpha) = \pi_1(\alpha(j)) +   \mathbb{Z}^k_{\geq 0}$ であり、$\beta_j \leq \beta_s$ ゆえ、$\alpha = \alpha(j) +  \mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0}$ が言える。

残りは $\beta_1 \leq \alpha_{k+1} \leq \beta_s$ の場合である。
$j = \beta_1 , \cdots, \beta_s$ について、$A_j = \{\alpha \in A \; | \; \alpha_{k+1}=j \}$ というスライスを考える。各スライスについて帰納法の仮定より有限個の $\{\alpha_ji \in  \mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0} \}$ が存在するので、それらを集めれば良い。

無駄を減らすことを考えるなら、高さ($k+1$座標)$=j+1$ のスライスの $\alpha_{(j+1)i}$ の中で、$\alpha_{j' i} +  \mathbb{Z}^{k+1}_{\geq 0}$ と表せるものは除外出来る。


1 comment:

cocoatomo said...

1 は I が単項式イデアルであることを示すので, 単項式イデアルの定義に沿って議論する必要があります.